8/10（月）

世間は三連休の最終日だったらしいけれど、僕はバイトだったので実感なく過ごしていた。

家電量販店の携帯コーナーで働いている。連休はだいたい忙しい。自粛ムードでも、お客さんはそれなりに来る。少し前までは、まだ普通に使えるような携帯をぶら下げて「機種変更をしたい」とノコノコやってくる客を見ると「それ今いるか？」と苛立つこともあったけれど、最近はもう何も感じていない。漫画を買いに行った本屋の店員、この間行ったラーメン屋の店員、カラオケ屋の店員。たぶん僕を見て、同じことを考えている。そう思うとバカらしくなって、何も考えないようにした。

アルバイトの愚痴で、一番言いたいやつがある。

携帯コーナーのそばに、固定電話のコーナーがある。物によっては定期的にデモ機からサンプルの着信音が鳴ったりしている。そこまではいい。それは商品を売る上で必要なことだ。

でもなぜか今日から動き出したデモ機の一つに、お店の固定電話と同じ着信音のものがあるのが許せない。だいたいの電話は面倒な内容なので、着信音が鳴っただけでビクッとする。でも出なければいけないので電話に向かう姿勢を取って動き出す。

そう、デモ機が鳴るたびに「電話か？」とビクッとして、そんでもって電話に向かおうとするので、とにかく疲れるんだ。心労もすごい。デモ機をベコベコにぶち壊してやろうかずっと迷っていた。気が狂うかと思った。今日は何回それに騙されたかもわからない。どうせデモ機だろうという気持ちが、電話かもしれないという気持ちに一勝もしなかった。七千回くらい騙された。次の出勤の時も同じデモ機が鳴っていたら、事故を装ってコンセントを引っこ抜いて放置してやろうと思う。気が狂う前になんとかしないといけない。これは正しいことだ。

明日は教習所の予約がたくさん入っている。めんどくさいけれど、めんどくさがりのせいで期限がドンドン近づいているので、今月中には終わらせないといけない。頑張る。